「きもので京都さんぽ♡」 ウォークツアーを開催しました

2024.12.18

11月15日の「きものの日」にちなんで、2024年11月16日(土)に「きもので京都さんぽ♡ 洛北・紫野で紫式部ゆかりの地めぐり」を実施しました。

 

ガイドに京都歩きの達人として多彩に活躍されている若村亮さん(株式会社らくたび 代表取締役)をお迎えし、22名の参加者と共に北大路駅から大徳寺、今宮神社までの約2 kmを歩きました。今回はそのツアーの様子をお伝えします。

 

 

ガイドの若村さんもきもの姿(写真左)。ツアーのチラシ(写真右)

 

 

 

地下鉄「北大路」駅に集合。まずは紫式部のお墓へ

地下鉄「北大路」駅に集合した参加者の皆さん。親子やお友達、カップルなど、総勢22名に参加いただきました。

 

若村さんの朗らかなごあいさつからスタート。

 

当日は雨天の予報でしたが参加者はおきもの姿で、お母様の振袖を仕立て直された方、見事な手刺繍の帯をされていた方、初心者ですが頑張って着てきました! と、笑顔でお話してくださる方など、皆さん思い思いの和装がとても素敵でした。

 

曇天でしたが暑くもなく寒くもなく過ごしやすい日でした。

 

北大路駅を後にして、まず向かったのは紫式部のお墓です。北大路堀川交差点の南西にひっそりと佇みます。

 

このあたりは「紫野(むらさきの)」と呼ばれ、紫式部が生まれ育っただけでなく、余生を送った地とも伝わります。一説にはこの地名が「紫式部」という通称の由来とも言われています。

左奥が紫式部のお墓です。

 

堀川通沿いの入り口から狭い道を奥へ進むと2つの小さな墓所が隣り合わせで並んでいます。左は紫式部、右は小野篁(おののたかむら)のお墓です。

 

ガイドの若村さんによると、小野篁は平安前期、嵯峨天皇に仕えた学者で『小倉百人一首』にも選ばれた歌人で、昼間は朝廷で働き、夜間は地獄へ赴き閻魔王の補佐役もしていたと言われるミステリアスな人物。

 

『源氏物語』は真実ではない色恋のストーリーで人々を惑わしたと言われ、紫式部は死後、閻魔王に地獄行きを命じられますが、かたわらにいた小野篁の力添えで地獄行きを免れたとも伝えられています。

 

 

雲林院の門前。

 

次に訪れたのは紫式部のお墓から西にある雲林院です。平安初期に淳和天皇が造営した広大な離宮「紫野院」にルーツをもち、『源氏物語』や『伊勢物語』にも記された古刹です。

 

大徳寺の南門前から参道へ向かう一行。

 

この界隈で有名な寺院といえば大徳寺ですが、その大徳寺が建立された地が雲林院の敷地だったというから驚きです。「それぐらい雲林院の境内は広かったんですよ」と若村さんの案内に参加者も興味深く聞き入っていました。

 

 

大徳寺到着。まずはランチの鉄鉢精進料理「泉仙」へ。

雲林院を後にして、次に向かったのは大徳寺です。鎌倉末期に開創された臨済宗大徳寺派の大本山で、雲林院からほど近くにあります。

 

南門の前で大徳寺の紹介を聞いた後は参道を奥へ奥へと進み、昼食処へ。大徳寺塔頭寺院の大慈院境内にある「泉仙 大慈院店」です。

 

 

泉仙の看板(写真左)。大きなお座敷でいただきました(写真右)

 

泉仙では「精進鉄鉢料理」をいただきました。

肉や魚介類を使わず調理されたのが精進料理ですが、それを「鉄鉢」と呼ばれる丸型の漆器に入れて提供するのが同店の「精進鉄鉢料理」。この器はお坊さんが托鉢の際に食物を受けるために用いた鉄製の丸い鉢がモチーフとなっています。

 

 

精進鉄鉢料理(写真左)。大きさの異なる7つの漆器に旬の素材を用いた煮物や汁物が美しく盛られていました。

 

食後、大きさの異なる器を大きなものから小さなものへ順に重ねていくと、ロシアの人形・マトリョーシカのように見事に1つにおさまりました。パズルのように重ねていく過程も楽しく、参加者の皆さんも食べ終わったお皿を重ねて楽しんでおられました。

 

 

黄梅院の特別拝観の後は境内散策。そして今宮神社へ。

さて、次に塔頭寺院・黄梅院を訪れました。通常は非公開寺院ですが、秋の特別公開となっており、寺内で黄梅院の方の解説を聞きながら千利休作庭と伝わる「直中庭」や、方丈庭園「破頭庭」の色づき始めたもみじのグラデーションを見ながらゆったりと拝観しました。

 

黄梅院前で若村さんの解説。

 

黄梅院を後にしてからは境内を北へと進み、大徳寺の三門、法堂や千利休ゆかりの塔頭など、様々な場所の解説を聞きながら今宮神社までのんびり散策。境内の松がきもの姿に似合います。

 

随所で立ち止まり、名所旧跡を紹介する若村さん。

 

最終目的地である今宮神社へさしかかるころにあいにく雨が降り出しましたが、同社の絵馬舎で雨宿りしながら神社の歴史や「やすらい祭り」の特徴、桂昌院(けいしょういん)ゆかりの「玉の輿お守り」などについて話を伺い、この日のツアーは終了となりました。

 

解散後は各自、本殿を参拝したり、名物の「あぶり餅」を食べたり。参加者同士で交流を楽しんでおられました。

 

今宮神社の門前菓子「あぶり餅」

 

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。また解散後もアンケートにご協力いただきありがとうございました。お寄せいただきました感想やご意見は今後の京都きものパスポート事業に役立てたいと思います。

 

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協力/株式会社らくたび
取材・writing/五島 望(京都きものパスポート事務局/ウーム総合企画事務所)

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