【きもの割引あり】めくるめく染織アートの世界へ。秋の岡崎、「山鹿清華 」展を着物で楽しむ

2026.10.13

明治から昭和にかけて京都を拠点に活躍した染織家・山鹿清華(やまがせいか)の40年ぶりとなる大規模な展覧会が京都市京セラ美術館で開催されています。

山鹿清華は、図案の構想から糸選び、織りあげまでのすべての工程を1人で手がけた染織家。当時はまだ珍しかった手法で次々と作品を生み出し、染織をアートへと押し上げた染織芸術のパイオニアです。そんな山鹿が残した世界観は緻密ながらも自由で壮大、時に愛らしくもある、まさに“宙(そら)翔ぶイマジネーション”です。同展の見どころや、かわいいグッズなどを紹介します。

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ユーモアあふれる染織芸術。創造の源泉にふれる回顧展

京都の文化ゾーン・岡崎のランドマークとして、平安神宮や京都市動物園などと共に広く親しまれているのが京都市京セラ美術館です。開館は今からおよそ90年前の昭和8年(1933)。現在、日本にある公立美術館の中で最も古い建築で、改修工事を経て2020年にリニューアルオープンしてからは新たな展覧室やカフェなども加わり、美術館建築としてさらに高い評価を得ている京都を代表するミュージアムです。

 

本館と新館にある5つの展示室で様々な展覧会が催されています(撮影:来田猛)

 

展示室

 

その京都市京セラ美術館の本館 南回廊1階で現在、開催されているのが特別展「生誕140年記念 染織家 山鹿清華─宙翔ぶイマジネーション」です。

山鹿清華は明治18年(1885)に京都・烏丸三条で活版印刷業を営む家に生まれ、10代で西陣の図案家・西田竹雪(ちくせつ)から織物図案を、日本画家・河辺華挙(かわべかきょ)からは日本画を学び、さらに25歳で近代京都工芸界の巨匠・神坂雪佳(かみさかせっか)に師事。図案、絵画、染織という3つの領域で研鑽を積み、独自の表現を築いていきました。

 

 

山鹿清華を語るうえで欠かせないのが、自ら「手織錦」(ておりにしき)と名付けた作品の数々です。

西陣織をはじめ多くの染織品は、図案を描く人、糸を染める人、織る人など、それぞれの専門家の分業によって製品化されますが、山鹿は図案の構想から下絵、糸染め、糸選び、そして織り上げまでのすべての工程を自らの手で行いました。

 

 

天然繊維の糸(左、中)、化学繊維(右)

 

そのため、織りの途中で糸を変えたり、ナイロン系や透明なビニール紐を織り込んだり。自身の創意のままに表現し、それまでの織物にはなかったユニークな凹凸や風合い、光沢を生み出していきました。

 

 

そして昭和2年(1927)、帝国美術院展覧会(通称・帝展)に出品した『和蘭陀船』(おらんだせん)の特選受賞を機に、本格的に染織作家としての道を歩んでいきます。山鹿が42歳のときのことでした。

本展では、この『和蘭陀船』がプロローグを飾ります。同作の織り下絵(原寸)は京都市京セラ美術館所蔵ですが、完成作については実は長らく所在不明でした。ところが同展の準備中に完成作がドイツで発見され、今回、パネル展示での公開に至ったのだそうです。

 

 

ロケットも“織る”、自由な発想。進取の気風に富んだ大作

“染織”と聞いて、松竹梅や扇といった古典文様を想像する人も多いことでしょう。ところが山鹿作品は曲芸を披露する馬とピエロや、当時まだ珍しかった家庭用冷蔵庫、完成したばかりの東京タワーに大型の宇宙ロケットなど、当時の世相をうつしたユニークなモチーフが多いことでも知られています。

 

山鹿清華『冷蔵果』1932年、京都国立近代美術館蔵

 

展示ケースを介さずに鑑賞できる『星座・月・ロケット』

 

中でも必見は本展のメインビジュアルとなっている作品『星座・月・ロケット』です。

宇宙へと飛び立つロケットの周囲に星座を配した高さ3.71mの大作で、昭和32年(1957)にソ連による世界初の人工衛星打ち上げ成功を機に宇宙開発競争が本格化していった時流や関心が反映された作品といわれています。

 

 

輪郭がはっきりとした立体的なロケットとは対照的に、グラデーションでぼんやりと表現された多彩な星座群が神秘的でもある同作は山鹿が72歳の時に手がけたもの。その精緻な織りの技はもちろん、大胆な構図と創造力をぜひ間近で、また遠くからも体感いただきたい作品です。

 

 

園遊会であの金メダリストが着用した帯も登場。かわいいグッズも見逃せない

着物が好きな方におすすめの作品が『噴花』です。こちらもロケットをモチーフにした作品で、花を噴射しながら飛ぶロケットが帯に表現されています。無機質なロケットと、いきいきとした花束の不思議な取り合わせ。鮮やかな黄色地と、色とりどりのモチーフに心が躍ります。

 

三浦璃来選手の写真と共に展示されている『噴花』

 

昭和39年(1964)、山鹿が79歳のころの作品の図案をもとに綴織り職人が制作した作品で、令和8年(2026)の春の園遊会において、ミラノ冬季オリンピック・フィギュアスケート・ペア金メダリストの三浦璃来選手が着用したことでも話題になりました。

 

函谷鉾や船鉾など、祇園祭の山鉾を彩る懸装品も多数

 

都ホテルの宴会場・稔りの間を彩った大壁画『豊穣』

 

ほかにも、祇園祭や長浜曳山祭で現在も使用されている懸装品や、老舗ホテルの壁画、青函連絡船の壁面装飾など、関連作品や資料を合わせると約100点が展開される予定です(会期中に展示替えあり)。大きな作品も多く、大変見応えがあるので、鑑賞時間は余裕をもって行くのがおすすめです。

 

山鹿作品をモチーフにしたTシャツや手ぬぐい

 

京都の和文具メーカー・尚雅堂とコラボレーションした朱印帳

 

鑑賞エリアの最後にはオリジナルグッズの物販コーナーもあります。今回の展覧会でしか入手できないキーホルダーやマグネット、トートバッグ、Tシャツなど充実の品揃えですが、中でも印象的なのはやはり『星座・月・ロケット』グッズです。

『星座・月・ロケット』のデザインをうつした手ぬぐいやクリアファイルをはじめ、和綴じのメモ帳や朱印帳、筆箱といった和紙を基調とした珍しい文房具もありました。和紙ならではの風合いに、きらめくロケットがデザインされた素敵な一品です。

 

 

きもの割引あり! チケットプレゼントも実施中

着物とも縁の深い染色アートの世界が堪能できる「生誕140年記念 染織家 山鹿清華─宙翔ぶイマジネーション」展へ、きもの姿で行くと100円引きで入場できます。

京都市京セラ美術館は着物がぴったりのフォトスポットもたくさんあるので、ぜひ和装でお出かけください。

また、現在「京都きものパスポート」では同展の鑑賞チケットが抽選で当たるプレゼントキャンペーンも実施中! たくさんのご応募、お待ちしています。

チケットプレゼント応募はこちら

チケットプレゼント応募締切:10月20日(火)23:59まで

 

中央ホール

 

東エントランスロビーから見る東広間

 

京都市京セラ美術館のコレクションルームにも「京都きものパスポート」特典があります。きもの姿で同館を訪れ、受付で「きものパスポート」を見せると、コレクションルームの観覧料が100円引きに! 「生誕140年記念 染織家 山鹿清華─宙翔ぶイマジネーション」展とあわせて鑑賞してはいかがでしょうか。

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特典ご利用ガイド

 

入り口近くにあるカフェ「ENFUSE」

 

京都市京セラ美術館にはゆったりと過ごせるおしゃれなカフェもありますし、岡崎エリアには他にも「きもの特典」が受けられる文化施設がたくさんあるので、着物デートや観光の散策にもぴったりです。この秋は着物で岡崎、京都市京セラ美術館へ足をお運びください。

岡崎エリアの「きもの特典」はこちら

 

<アクセス情報>

京都市京セラ美術館

  • 住所:京都市左京区岡崎円勝寺町124
  • 休肝日:月曜日(祝日の場合は開館)
  • アクセス:地下鉄東西線「東山駅」から徒歩約8分。
  • 京阪「三条駅」・地下鉄東西線「三条京阪駅」から徒歩約16分。
  • 市バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ。

公式サイト https://kyotocity-kyocera.museum

Instagram @kyotocitykyoceramuseum

 

 

 

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取材・writing/五島望(京都きものパスポート事務局/ウーム総合企画事務所)